2025/08/04 08:00
植物の「毛」?トリコームって何?
植物の葉や茎、花などをよーく見てみると、小さな毛のようなものが生えているのを見たことはありませんか?
あれこそが「トリコーム」です!
トリコームとは?
トリコームは、植物の表皮細胞が変形してできた、様々な形をした突起のこと。簡単に言うと
"" 植物の表面に生えている「毛」 "" です。

トリコームの主な役割(何のために生えてるの?)
この小さな毛には、植物が生き抜くための大切な役割がたくさんあります。
1.水分の蒸散抑制: 葉の表面に毛が生えていると、空気の流れを妨げ、水分が蒸発しすぎるのを防ぎます。
砂漠の植物などによく見られます。
2.紫外線からの保護: 毛が光を反射・散乱させることで、強すぎる紫外線から植物の組織を守ります。
3.害虫からの防御:〇物理的なバリア ⇀ 毛が邪魔をして、小さな虫が葉の上を歩きにくくしたり、卵を産み付けにくくしたりします。
〇化学的な防御 ⇀ 一部のトリコームは、ベタベタした物質(粘液)や、虫が嫌がる化学物質(テルペンなど)を分泌して、害虫を遠ざけたり、捕まえたりします。例:モウセンゴケのような食虫植物の腺毛。
4.捕食者からの防御: 毛が植物を苦くて食べにくいと感じさせたり、物理的に食べにくくすることで、草食動物からの食害を防ぎます。
5.養分吸収の補助: 特定のトリコームは、土壌や空気中の水分や養分を効率的に吸収する役割を持つことがあります(例:エアプランツのトリコーム)。
6.凍結からの保護: 毛が空気の層を作ることで、急激な温度変化から植物を守り、凍結を防ぐ助けになることがあります。
トリコームの形もいろいろ!
トリコームの形は、単純な一本の毛から、星形、枝分かれしたもの、腺毛(分泌物を出せる毛)など、植物の種類によって非常に多様です。この多様性が、それぞれの植物が持つユニークな防御・適応戦略を表しています。
トリコームは、植物が厳しい環境で生き延びるための、まさに「隠れたスーパーパワー」なのです!
オージープランツの中にも、トリコームがある子がいたりします
一度ご自身で育てている子たちをしっかり観察してみてくださいね!